● 野球肘(Baseball Elbow)
【原因】
野球の投球動作によっておこる肘関節の障害で、ソフトボールや、やり投げなどによってもおこります。
投球の際に、肘関節外側の骨の間には、圧迫力や、回旋力が働き、内側では、筋肉や靭帯に負荷が加わり、筋肉や靭帯の付着部(上腕骨内側上顆部)も引っ張られます。
したがって、外側では上腕骨小頭部に離断性骨軟骨炎がおこり、軟骨片が遊離することもあります。
内側でも筋肉や付着部に炎症を起こしたり、骨に変形をおこすことがあります。
【症状】
日常動作の肘の屈伸には、あまり問題はなく、投球時に鈍痛または鋭い痛みがあります。
進行すると、肘の曲げ伸ばしが制限されるようになります。
【診断】
問診、視診、X線検査などを行います。
【治療】
初期の場合、X線像では異常を認めません。
投球練習を中止し、湿布をして患部を安静にすると良くなります。
痛みの強い場合は、消炎鎮痛薬の投与が行われ、2〜3ヶ月で多くは治ります。関節内に軟骨の遊離体ができた時には、手術をすることもあります。
【心得】
投球の際に変化球を、あまりたくさん投げないようにしましょう。
一度に続けてたくさん投げないようにし、連日の登板は避けましょう。肘に痛みを感じたら、投球を中止しましょう。
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