● 野球肩(Baseball Shoulder)
肩のスポーツ障害の中で、一番多いのはいわゆる野球肩です。テニスのサーブやバレーボールのアタックなどでも同様の障害がおこります。
投球動作のうち手を頭の後ろに引き、投げはじめから加速期までは、肩関節の主に前方部分の上腕二頭筋腱や、腱板、腱の隙間などが損傷を受け、炎症をおこします。
加速期から投げ終わりのフォロースルー期においては、主に後方部分の筋肉や腱が、強く引き伸ばされて損傷を受け、腱板が肩峰部にぶつかるため、損傷されて炎症をおこします。
【症状】
局所の痛み、圧痛、運動痛などが主な症状です。
【診断】
問診、視診、触診、X線検査のほか、必要であれば関節造影、関節鏡を行います。
【治療】
局所を湿布し、安静を保ち、消炎鎮痛薬の投与が行われます。痛みが強い場合は、非ステロイド薬の内服が効果的で、急性期を過ぎれば、温熱療法や鍼治療、マッサージなども効果的で、症状が改善されれば、徐々にスポーツを再開できます。 これらの方法で効果が無ければ、手術を行うこともあります。
【心得】 障害の程度により、ポジションの変更や、現在の投球回数やフォーム無理が無いか検討する必要があります。特に年少者は、投球を中止するか、投球回数を制限しましょう。 |