● 外反母趾(Hallux Valgus)

【原因】

 足の親指(母趾)が指の付け根(中足骨趾骨間関節) から小指側に曲がり、関節が外側に飛び出すように変形している状態を言います。ハイヒールを愛用する女性に多いと言われています。

【症状】

 以前は欧米人に多く、畳の上で生活する日本人にはまれだとされてきましたが、現代では珍しいものではなく、むしろ増加する傾向にあります。特に長時間靴をはいたままで立って働く女性の5人に1人はあると言われています。
 原因として、生まれつき母趾の中足骨と第二趾の中足骨の角度が大きい事や、母趾が他の足指に比べて相対的に長いことなどの他に、先の細いハイヒールなどをはいたり、長時間の立ち仕事なども原因となり、靴のヒールが高くなればなるほど、外反母趾になりやすいと言えます。

【診断】

 生活習慣、靴、ハイヒールの使用状況などの問診、変形の程度などの視診、圧痛の有無を触診で調べる他、X線検査により中足骨間の角度や、外反の角度、関節の変形の有無などを調べます。
 また、血液検査などにより、糖尿病、リウマチ、痛風などがないか調べることもあります。

【治療/予後】

 程度の軽いものは、靴をはかないでいたり、母趾と第二趾との間にゴム製の副子などをあてたりする事により、痛みは無くなります。また、足の筋肉を強化する運動は進行防止に効果があります。
 変形が進行した例や、痛みが強い場合で、治療を続けても効果がない場合は手術を行います。
 手術は、腱を移す方法、骨の角度を変える方法、関節を固定する方法などが程度に応じて選択されます。


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