● 脊柱側弯症 (Scoliosis)

 脊柱側弯症とは、脊柱が片側に持続的に側方に弯曲した状態を言い、片側に単一の側弯がみられるものと、S字形に2つの左右の弯曲がみられる複合性側弯があります。

 側弯症で、最も多い特発性側弯症は、原因が不明で、小学校高学年から、中学生にかけてはじまり、女子に多くみられます。

【原因】

 原因不明の特発性のほかに、脊椎骨の奇形による先天的なもの、習慣性、くる病性、瘢痕性(火傷や胸部疾患の後におこる)、神経性(脳、脊髄疾患でおこる)、静力学的(一方の足の短縮や股関節疾患でおこる)、疼痛性(椎間板性ヘルニアなどの疾患による痛みのためにおこる)側弯などがあります。

【症状】

 特発性側弯症のおこる位置は、胸椎(右凸が多い)、胸腰椎移行部(左凸が多い)、腰椎(左凸が多い)、或は複合性(右凸胸椎、左凸腰椎側弯のS字形が多い)です。
 発病する位置が高いほど治療が難しく、外見的に目立ち、脊柱が成長するに従って進行します。疼痛性側弯症は坐骨神経痛などの痛みによる側弯で、痛みが無くなれば治ります。

【診断】

 特発性側弯症は集団検診でみつかる場合が多くあります。診断のポイントとは。

  1. 両方の手のひらを合わせて前屈した時に、背部の肋骨や、腰部が、片側だけに膨らんでいないか。
  2. 肩の高さの左右差がないか。
  3. 肩甲骨が後方に飛び出していないか。
  4. 直立して、両腕をたらした時に、両腕とウエストラインとのなす角度が、左右非対象でないか。の四つが上げられます。

【治療】

 早期発見、早期治療が最も大切で、成長の著しい時期は、特にしっかりした観察と治療が必要です。体操療法は、脊椎関節が固まらないようにするためと、筋肉の強化のために、有効であろうと考えられます。 装具療法において、代表的なミルウォーキーや、アンダーアーム装具は、5歳以上の全ての側弯に用いられ、成長終了期まで装着します。側弯変形が強い場合、あるいは、痛みのある側弯については、矯正と脊椎固定のために、手術を行います。
 その他の原因の明らかな側弯については、根本の疾患の治療が行われます。


 情報室 MENU に戻ります