● 坐骨神経痛 (Sciatica)
坐骨神経痛は、全身の中で最も長く、皮膚に近いところを通るので、寒冷、圧迫、外傷などの影響を受けやすく、神経痛の中で、最も多くおこりやすい病気です。しかし、原因も見つかりやすいとされています。
神経痛は、その原因が見つかれば、その症状としますが、原因不明の場合、そのまま病名となります。
例えば、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛は、椎間板ヘルニアが病名で、坐骨神経痛は、その症状となります。
坐骨神経痛は、第四腰髄と第三仙髄から出た神経が集まって、骨盤を経由し、大腿部の後部を通って膝から総腓骨神経と脛骨神経に分かれます。
これは膝から足首にかけての筋肉を動かす末梢神経です。したがって、その痛みは、ももの後部に沿い、ふくらはぎから足底におよびます。他の神経痛と異なり、痛みが発作的でなく、連続的なのが特徴です。
【原因】
神経痛の中でも、坐骨神経痛の原因は、比較的みつけやすいものです。例えば、椎間板ヘルニア、変形性腰痛症、カリエス、腫瘍などです。
また、外傷による圧迫、寒冷、湿潤、リウマチ、流感、便秘、糖尿病、動脈硬化症、梅毒、アルコール中毒、ニコチン中毒なども原因として上げられます。
【症状】
痛みは、ももの後部からふくらはぎ、足に及ぶ鈍い痛みとして表れます。立ち上がったり、横になったり、歩いたりするなど、動作の転換時に著しく痛みます。
【診断】
問診、視診の他、原因となる疾患を調べるため、一般検査、理学検査、X線検査、CTスキャンなどが行われます。
【治療】
原因を十分につきとめ、その原因となる疾患を治療することが最も大切です。
対症療法としては、消炎鎮痛薬を用います。ホットパック、温浴など温熱療法を用いる物理用法、鍼治療や低周波治療も効果があります。